はじめに
私がオーディオという深い沼に足を踏み入れる、すべてのきっかけとなった機種。それがこの FOSTEX T50RP(mk2) です。
※メーカーの正式名称は「T50RP」ですが、本ブログでは後継のmk3や最新のmk4との世代判別を明確にするため、通称である T50RP(mk2) と表記しています。
当時、私は機器に付属していたイヤホンからのアップグレードを考えていました。一般的に有名なメーカーのヘッドホンを買うつもりで家電量販店へ足を運んだのですが、そこで店員さんに勧められたのが、このFostex T50RP(mk2)でした。
当時は聞いたこともないメーカーで戸惑いもありましたが、なぜか調べもせずに、その場で「直感」で購入しました。
購入し実際に初めて聴いてみたときの衝撃は、今でも忘れられません。普段聴き慣れていた音楽がキラキラと輝き、圧倒的な臨場感と迫力で迫ってきました。「今まで聞こえなかった音が聞こえる」という体験に興奮し、夜も寝ずに音楽を聴き続けたことを覚えています。当時はiPhoneに直刺しという環境でしたが、それまでのイヤホンとは別世界の音に、心底満足していました。
すでに旧型となり、世の中には多くのレビューが存在していますが、自分のブログを始めるにあたって、まずはこの「原点」からスタートしたいと考えました。
【3Dアーカイブの閲覧について】
本ブログでは「XREAL Beam Pro」および「FinePix REAL 3D W3」を活用し、平面の写真や文章だけでは伝えきれないプロダクトの存在感を「立体(3D)画像」でアーカイブしています。
3D画像(SBS)
クリックで拡大表示が可能です。3D閲覧環境をお持ちの方は、全画面表示にしてデバイス側でSBSモードに切り替えることで、質感や奥行きをより詳しく確認いただけます。
3D画像(MPO)
あわせて掲載しているMPOファイルについても、閲覧可能な環境をお持ちの方であれば体験してみてください。
(閲覧環境例:VRゴーグル + SKYBOX VR Video Player)
FOSTEX T50RP(mk2) の主な仕様
- ドライバー: RP方式平面駆動型
- 再生周波数帯域: 15〜35,000Hz
- インピーダンス: 50Ω
- 感度: 98dB/mW
- 最大入力: 3,000mW
- 形状: セミオープン型
- 接続方式: 有線(片出し着脱式 / アンバランス接続)
- プラグ: ステレオ標準プラグ
- 素材: プラスチックハウジング / ゴム素材ヘッドバンド / 金属製スライドロッド
- 質量: 約330g(コード含まず)
主観による評価
スペックだけでは見えてこない、私なりの評価をチャートにしてみました。
音の傾向
- 解像度: ★★★★★☆☆☆☆☆
- 高 音: ★★★★★☆☆☆☆☆
- 中 音: ★★★★★★☆☆☆☆
- 低 音: ★★★★☆☆☆☆☆☆
- タイプ: モニター
- 音 場:近め(イヤーパッドが薄めの為)
装着感・その他
- 締め付け: 普通
- 重量: 若干重め
ドライバー
本機の核となる「RP(Regular Phase)方式」の細かいスペックや仕組みについては、すでに数多くのサイトで語り尽くされていますので、ここでは私自身の主観をメインにお話ししたいと思います。
一般的に普及しているダイナミック型は、構造上「音にゆがみが出やすい」と言われることがあります。自身については一般的な耳しか持ち合わせておりませんが、他のダイナミック型ヘッドホンと、このRP型を聴き比べたときに明確に感じる違いがあります。それは、音の「瞬発力」と、「詳細な表現力」です。
低音の表現についても大きな違いを感じています。本機の低音は「ハキハキ」としていて、一音一音に「メリハリ」があると感じます。
製品および各部について
パッケージと本体



パッケージ内容は本体、説明書、ケーブルのみ。業務用の機材らしく、梱包も付属品も非常にシンプル。正直に言えば、購入した当初は開封時に若干テンションが下がってしまったほどです。
ハウジングと調整機構



ハウジングはプラスチック製です。最近の流行である流線型の滑らかな形状とは異なり、無骨で「ごつごつ感」が満載。特にこの金属製のスライドロッドは、装着するとアンテナのように見えて非常に格好良く、私の感性にグッと刺さったポイントです。
(※今のところ、このヘッドホンに合う洋服を持ち合わせていないため、外出時に着けていったことはありません。今後Fostexからこのヘッドホンに合う服が発売された暁には、ぜひ一緒に着けて外出してみたいと思っています。)
ヘッドバンド

ヘッドバンドは、一枚のぶ厚いゴムベルトのような独特の質感です。非常に丈夫な分、重量もしっかりあります。Fostexファンとしては、このヘッドバンドのブランドロゴの主張の仕方もたまらないポイントの一つです。
サイドバイサイド(3D)の画像です。閲覧環境をお持ちの方は、ぜひお試しください。
イヤーパッド

素材は合成皮革です。多くのヘッドホンを経験した今改めて見ると、少し薄手かなと感じますが、装着感自体に不満はありません。万が一劣化しても、交換品が比較的簡単に手に入るという安心感は、本機ならではのメリットです。
サイドバイサイド(3D)の画像です。閲覧環境をお持ちの方は、ぜひお試しください。
MPO(3D)ファイルです。閲覧環境をお持ちの方は、ぜひお試しください。
ケーブル


有線の片出し着脱式です。初めて手にした着脱式の製品でしたが、一般ユーザーであってもケーブル断線時に自分で簡単に交換できるという安心感は、末永く使い続ける上で大きなメリットでした。回してロックする堅牢な接続部分は、いかにも「業務用」という趣で、信頼を寄せるポイントです。購入当初付属していたケーブルは金メッキ加工されておりませんでした。写真のケーブルはその後金メッキ加工されたメーカー純正ケーブルです。
- 本体側:3.5mmステレオミニプラグ
- 端末側:6.35mmステレオ標準プラグ
本体重量
本機の重量は約330g。どちらかと言えば重い部類かもしれませんが、自身は「軽くなくても、しっかりとした重量感がある方」が好みです。この重みこそが、RP型ドライバーという特別な心臓部を積んでいる証のように感じられ、愛着を覚える要素の一つになっています。ぶっちゃけ、ヘッドホンは軽くなくてもよいと思ってます!
接続方式
本機は一般的なアンバランス接続です。
実は購入当初、端子が金メッキではなかったせいか、接続部が動くと片耳が聞こえなくなることがありました。それでもこの製品が大好きだったので、当時は我慢して使い続けたり、他社製のケーブルを試したりしていました。
しかし、他社製品では「何となく音が変わった気がする」と満足できずにいたところ、後にメーカーから純正の金メッキ仕様ケーブルが発売されました。迷わず購入し、それに取り替えてからは、唯一の欠点だった接触不良も解消。その後は全くストレスなく、非常に満足しています。
主観レビュー
見た目(外観)については他に似た製品が(Fostex製品以外に)無いこともあり大変気に入っております。
音の傾向については前述した通り、瞬発力があり、ハキハキとしたメリハリの良さが最大の特徴です。この音が私の好みに完璧に合致しており、まさに「RP型ドライバー」との長い付き合いの始まりとなった一台でした。
音の鳴らしやすさについてですが、当初のiPhone直刺しでも十分に満足してはいたものの、やはり一般的なダイナミック型に比べると「鳴らしにくい」部類に入ります。
その真価を知ったのは、後にヘッドホンアンプを導入した時でした。アンプを通して聴いた瞬間、「このヘッドホンはまだ本気を出していなかったのか」と衝撃を受けました。パワーを注ぎ込むことで初めて引き出されるRP型ドライバーの真髄を体感したあの瞬間の感動は、今でも印象に残っています。
まとめ
自身のコレクションの中でも、特に思い入れの深い一台について語らせていただきました。
その後、数多くのヘッドホンを購入し、現在ではこのT50RP(mk2)を「スタメン」として使う機会はなくなりました。しかし、私のオーディオライフにおける「すべてのきっかけ」を作ってくれたのは間違いなくこの1台です。
このブログを通じて、名機である本機の魅力が、少しでも多くの方に知っていただく機会になれば幸いです。
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